【The Road Not Taken】アメリカの中学生が学ぶ最も有名な詩の解説

映画&文学

アメリカの国語の授業はLanguage Artsといいます。(L.A.とも言います。)

文法ももちろんですが、詩を書いたり作文をしたりがメインの授業です。

そんな中で中学生(6年生~8年生)くらいで、The Road Not Takenという有名な詩を学びます。

この詩は詩人Robert Frost(ロバート・フロスト)の名作で、美しい情景が思い浮かぶだけでなく、これから人生の選択を多く迎えるteenagerたちに向けて、指針を示す効果もあり大変人気の詩です。

おすすめの英語の詩は、こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。

【英語圏の教養】知っておくべき有名な英語の詩【おすすめ10選】

The Road Not Taken

Two roads diverged in a yellow wood,
And sorry I could not travel both
And be one traveler, long I stood
And looked down one as far as I could
To where it bent in the undergrowth;

Then took the other, as just as fair,
And having perhaps the better claim,
Because it was grassy and wanted wear;
Though as for that the passing there
Had worn them really about the same,

And both that morning equally lay
In leaves no step had trodden black.
Oh, I kept the first for another day!
Yet knowing how way leads on to way,
I doubted if I should ever come back.

I shall be telling this with a sigh
Somewhere ages and ages hence:
Two roads diverged in a wood, and I—
I took the one less traveled by,
And that has made all the difference.

日本語訳

The Road Not Taken

選ばれなかった道

Two roads diverged in a yellow wood,
And sorry I could not travel both
And be one traveler, long I stood
And looked down one as far as I could
To where it bent in the undergrowth;

黄色く紅葉した森の中で、道が二つに分かれていた

両方進むことはできない

私はただ一人で立ち止まっていた

まず一つの道をできるだけ遠くまで見た

Then took the other, as just as fair,
And having perhaps the better claim,
Because it was grassy and wanted wear;
Though as for that the passing there
Had worn them really about the same,

そしてもう一つもできるだけ遠くまで見た

こちらの道も悪くない、

草が生い茂り誰かが通るのを待っているように見えるから。

とはいえこの道も通る人がいれば、

同じように道は荒れていくだろう

And both that morning equally lay
In leaves no step had trodden black.
Oh, I kept the first for another day!
Yet knowing how way leads on to way,
I doubted if I should ever come back.

あの朝、2つの道は平等にそこにあり

まだ誰にも踏まれずに汚れていない落ち葉に覆われていた

あぁ、最初の道はまた別の機会に取っておこう!

まだ旅を続ける私が

ここに戻ることはないと思いながら

I shall be telling this with a sigh
Somewhere ages and ages hence:
Two roads diverged in a wood, and I—
I took the one less traveled by,
And that has made all the difference.

月日がたてば、ため息を吐きながら私は語るであろう

森の中で分かれ道があって私は

私はひとが選ばない道を進んだ

そしてそれによってすべてが変わった

ロバート・フロストの人生

ロバート・フロスト(1874~1963)はアメリカの詩人です。

西海岸のサンフランシスコで生まれましたが、幼少期に父親の死をきっかけに家族の住む東海岸に引っ越しています。

祖父、祖母はともに先生で幼いロバートにバラエティーに富んだ本を与えていたといいます。

彼はダートマスとハーバードで学ぶも、いずれの大学も卒業せず、農業や編集者、学校の先生などをする合間に詩を書きました。

これらの詩を出版社に持ち込むも最初は相手にされず、ようやく出版された彼の最初の詩では$15しか受け取ることが出来ませんでした。

彼は1911年に詩を出版する望みをかけイギリスにわたりました。この時には結婚していて、子供もいました。

イギリスではほかの詩人と出会い影響を受け、1913年に出版した最初の詩集は、広く受け入れられました。

その後アメリカに帰国してからも彼の詩は人気となり、Pulitzer Prizeに4度も輝きました。

考察

この詩は読み手によりメッセージが異なるタイプの詩です。

〇メッセージ①

よく考えられているのは、「他人に流されず自分の信じた道を進め」といったメッセージです。

これは非常にアメリカ的な解釈で、

この詩が広く受け入れられ学校でも使われる理由の一つです。

「今の成功があるのは、あの時に人と違う選択をしたからだ。」

という解釈ですね。

〇メッセージ②

この詩のタイトルはThe Road Not Takenです。

ここでは「筆者に選ばれなかった道」「大勢の人に選ばれなかった道」と両方の解釈が出来ます。

そしてもし実際に自分が歩んだ「大勢の人に選ばれなかった道」をメッセージとするなら、タイトルも

The Road Less Traveled

となるのではないでしょうか?

つまり、この詩は自分が選ばなかった道」の話という解釈もできます。

自分が選ばなかった、大勢の人が歩む道を選んでいれば、自分の人生はどうなっていたのか。

こうした未練の詩ともとれるわけです。

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まとめ

読み手に物語のメッセージをゆだねるタイプの作品は数多くあります。

作品が翻訳されてしまうとどうしても訳に、翻訳家の意図や感性が入るため、原作の奥深さが表現しきれないことがります。

私も最初はこのThe Road Not Takenをアメリカで学んだときは、「人と同じことをしない」というメッセージで受け取り、胸が熱くなったため、このときの授業が記憶に残っています。

しかし今読み返すと、

フロストが初期にアメリカでは受け入れられず、詩の道を進むためイギリスに渡るか、家族との安定した暮らしのため詩を諦めるかの二択に迫られ、詩の道を選ぶことで何かを失っていたのではないか。

そして失ったものが忘れられないのではないか?

そのように考えてしまいます。

やはり英語も含めほかの言語で作品が読めるほうが人生が豊かになる気がしますね!

 

英語圏で特に有名な詩はこちらの記事でまとめていますので是非ご覧ください。

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