【Ozymandias(オジマンディアス)】パーシー・ビッシュ・シェリーの有名な詩の解説

映画&文学
  • Ozymandias(オジマンディアス)って何のこと?
  • Ozymandias(オジマンディアス)では何が言いたいのかわからない。
  • 何がいいのかわからない。

こんな方にご説明いたします。

詩はネイティブでも、苦手意識を持っている人は多く、1回で詩の内容を理解できる人は少ないと思います。

なぜなら、詩は表現がストレートでないことに加えて、比喩も用いられるからです。

また、昔の言葉や会話で聞きなれない単語も多く用いられるため、余計に難解になります。

しかし、作者のこと、当時の時代背景などを理解することで、ぐんと読みやすくなりますし、解説を読んで自分なりに消化できると楽しくなってきます。

おすすめの英語の詩は、こちらの記事でもご紹介していますので、合わせてご覧ください。

【英語圏の教養】知っておくべき有名な英語の詩【おすすめ10選】

この記事では

  • 作者のことを紹介します。
  • 原文そのまま記載します。
  • 簡単な表現でのオリジナルの和訳を記載します。
  • 簡単に独自の要約と解説をします。

小・中学校の頃、4年間アメリカのニューヨークで過ごしました。

社会人でも再びニューヨークに留学した経験から、英語の重要性、勉強方法、英語圏の文化などを記事にしています。

英語の詩はとても難解です。

ネイティブが読んでも理解できないものがほとんどなので、簡単な言葉で訳し、背景なども交えて解説したいと思います。

パーシー・ビッシュ・シェリーってどんな人?

パーシー・ビッシュ・シェリー(Percy Bysshe Shelley、1792年8月4日 ~1822年7月8日)は、イギリスの詩人・小説家です。

イギリスのサセックス週の裕福な貴族の家庭の長男に生まれました。

名門のイートン校に通うも、上級生から激しいいじめに合います。

そのせいか、この頃から1人で詩を書きはじめ、最初の詩集もこの時期に制作しています。

大学は名門オックスフォードに進みますが、無神論者の必要性を訴える内容のパンフレットをまくなどの行為がそぐわないとして、退学となります。

海外で無神論者はatheistといって、「神を信じない」ということではなく、「神はいないと信じている人」なので、すこし変な人に見られます。

日本人が宗教を聞かれ「無宗教」と回答するのとはわけが違うので気をつけましょう!

実家に帰り、ハリエットという女性と結婚し子供を設けますが、後に不仲となります。

その後、友人の娘のメアリーと恋に落ち、事実上結婚します。(ハリエットは後に自殺し、メアリーと正式に結婚します)

このメアリーは、文学の傑作「フランケンシュタイン」の著者であり、パーシーはメアリーの夫としての方が有名かもしれません。

パーシーとメアリーは駆け落ちし、スイス。イタリアを転々としながら作品を生み出していきます。

最後は、イタリアで海難事故により30歳の若さで亡くなります。

船に原因があった、嵐を超える操舵技術がなかったなど、事故の原因は様々な憶測がありますが、パーシーは非常に政治的だったため、殺害されたともいわれています。

Ozymandias(オジマンディアス)原文

I met a traveller from an antique land,
Who said—“Two vast and trunkless legs of stone
Stand in the desert. . . . Near them, on the sand,
Half sunk a shattered visage lies, whose frown,
And wrinkled lip, and sneer of cold command,
Tell that its sculptor well those passions read
Which yet survive, stamped on these lifeless things,
The hand that mocked them, and the heart that fed;
And on the pedestal, these words appear:
My name is Ozymandias, King of Kings;
Look on my Works, ye Mighty, and despair!
Nothing beside remains. Round the decay
Of that colossal Wreck, boundless and bare
The lone and level sands stretch far away.”

Ozymandias(オジマンディアス)和訳

古代の国から来た旅人に出会った
彼は言った「巨大な胴体のない脚の石像が
砂漠の中で立っていた...その近くの砂の中には、
半分が砂に埋まった顔が横たわっていた、不愛想で
しわの寄った唇で冷たく笑っている、
石像の彫刻家はこの情熱を読み取り
いまだ消えることなく、命なき石に刻まれている
彫刻家の手と心のおかげだ、
台座にはこう記されている:
我が名はオジマンディアス、王の中の王;
私が築いたものを見よ、そして絶望しろ!
横には何もない。削られ丸くなった
巨大な残骸がただあるだけ
ただ砂漠が広がっているだけ。」

解説

要約

エジプトからの旅人に会った。

旅人は言った。

砂漠に胴のない脚の巨象とその横には、顔が半分埋まっていた。

巨象の台座には独裁者の傲慢な言葉が記されていた。

しかし、今そこにあるのは残骸と砂漠だけだった。

詩の型はソネット

詩は14行からなるソネットです。

1.I met a traveller from an antique land, A
2.Who said—“Two vast and trunkless legs of stone B
3.Stand in the desert. . . . Near them, on the sand, A
4.Half sunk a shattered visage lies, whose frown, B
5.And wrinkled lip, and sneer of cold command, A
6.Tell that its sculptor well those passions read C
7.Which yet survive, stamped on these lifeless things, D
8.The hand that mocked them, and the heart that fed; C
9.And on the pedestal, these words appear: E
10. My name is Ozymandias, King of Kings; D
11. Look on my Works, ye Mighty, and despair! E
12. Nothing beside remains. Round the decay F
13. Of that colossal Wreck, boundless and bare E
14. The lone and level sands stretch far away.” F

オジマンディアスは誰?

オジマンディアス:古代エジプトのファラオ・ラムセスⅡ世

ラムセスⅡ世の特徴

  • 数々の戦争で勝利し、エジプトを長く治めた。
  • 自分の石像を数多く作らせた。

考察

詩のテーマ

  • 独裁者の批判
  • 儚さ

かつては栄華を極めた、偉大な王であっても、時が過ぎれば何も残らない。

逆に、いずれ何も残らなくなるのに、自分の力に過信する傲慢さを哀れに思い、皮肉で表現した詩となっています。

パーシーは大学で無神論を唱えたり、当時のイギリスの王、キング・ジョージを否定するなど、信仰や権力に否定的な政治的思想の持ち主です。

つまり、独裁者が嫌いです。

Ozymandias(オジマンディアス)はかつての王の傲慢さに対する皮肉の死なのです。

まとめ

事前の知識なしに詩を楽しみには限界があります。

Ozymandias(オジマンディアス)の場合、

Ozymandias(オジマンディアス)=ラムセスⅡ世=独裁者

のイメージがなければ、中身がわかりません。

海外の詩は、作者の事や書かれた当時の時代背景を理解したうえで読むことで、本当の意味を理解できるようになります。

英語圏で特に有名な詩はこちらの記事でまとめていますので是非ご覧ください。

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