【Country Presentation】海外での日本のSWOT分析のプレゼン実体験

ビジネススキル

日本ってなんだかんだ、いい国ですよね?

以前参加したアメリカのビジネスリーダー育成プログラムでは、40か国以上のから参加者が集まり、5週間切磋琢磨しながらビジネスについて学びました。

プログラムの中に、Country Presentationと題して、それぞれの国が自国のSWOT分析をするというものでした。

この Country Presentation を通じて、日本の平和な環境と途上国の置かれている現実を実感しました。

本日はその内容についてご紹介したいと思います。

SWOT分析とは

SWOT(スウォット)分析は、内部環境と外部環境それぞれに由来する要素を洗い出し、現状を分析していくマーケティング手法です。戦略を検討する際には、まず自社や自社の製品・サービスの強みと弱みを知り、さらに市場の状況や競合の動きなどを知る必要があります。SWOT分析とは、こうした現状を知るために用いられる分析手法です。

<SWOTの各要素>

S:強み(Strength)/自社や自社製品・サービスに好影響を与える内部環境の要素

W:弱み(Weakness)/自社や自社製品・サービスに悪影響を及ぼす内部環境の要素

O:機会(Opportunity)/自社や自社製品・サービスに好影響を与える外部環境の要素

T:脅威(Threat)/自社や自社製品・サービスに悪影響を及ぼす外部環境の要素

日本のSWOT

私が当時、実際に行ったSWOT分析についてご紹介いたします。

S:強み

  • 豊かな自然
  • 強い経済
  • 人口の多さ

日本は小さな島国という印象があります。確かに国の面積では世界61位と平均的ですが、人口では世界11位、GDPでは世界3位の大国です。北から南に長く気候も温暖なため、自然が豊かで、食文化も発達しています。

他にもあげればきりがないほど、日本において強みを上げるのに苦労することはありません。

W:弱み

  • 資源の海外への依存
  • 人口減少
  • 英語が話せない

日本は石油や天然ガスなどのエネルギー源を、海外からの輸入に依存している部分が多いため、ここは弱みになります。また強みで人口の多さも挙げておりますが、ご存じの通り人口は減少の一途をたどっております。

こうした際に海外の労働力や企業を呼び込もうにも、日本人は英語が苦手でこれは国際的なビジネスにおいては意外と大きなハンデとなります。一方でインドやマレーシアは、英語が公用語であることを「強み」として発表していました。

O:機会

  • インターネットの普及
  • 途上国の発展

日本は地理的に西側の国から離れていることに加え、島国であることから、外国の干渉を歴史的に受けてきませんでした。そのため日本特有の文化が数多く残っております。こうした、情報が現代ではインターネットを通じて、世界中に広がっており、日本に触れる人が多くなることで、観光業などが発達する可能性があります。また、途上国の賃金が上がり、海外旅行をするようになると、これまた日本を訪れてくれる人が増える可能性があります。

T:脅威

  • 米中関係
  • 悪評

日本は地理的にも、経済的にも米中関係に大きく影響を受けます。トランプ政権下の貿易戦争では、中国のアメリカへの輸出が冷え込むことで、日本から中国への輸出も打撃を受けました。もちろん、万が一にも戦争になるようなことがあれば、日本は最前線となります。

また、日本人の人間性は海外でも好意的に思ってもらえることが多い一方で、領土問題に加え、くじらを食べる文化であったり、南京虐殺など、センシティブな議論も持っていることを忘れてはいけません。このような議論が国際的に炎上した場合、非買運動等で日本が打撃を受ける可能性は十分にあります。

他国のSWOT

それではほかの国はどのように自国を分析するのでしょうか?

S:強み

  • 観光
  • 農産物
  • 天然資源

どこの国も探せば何かは、外国から人を呼び寄せるものを持っています。

なのでほとんどの国が観光業や、名産物を挙げていました。天然資源についても挙げる国もあり、例えばトルクメニスタンからの参加者は天然ガスの埋蔵量を強みとしておりました。(トルクメニスタンは「地獄の門」で有名な国だとこの時知りました。)

W:弱み

  • 賄賂
  • 政治の不安定
  • 貧富の格差

一番衝撃を受けたのが、各国の弱みでした。

半分以上の国が、警察や企業のビジネスにおける汚職が、国全体の成長を阻害する要因になっているのでした。

印象的には東欧や旧ソビエトの地域の国が多かった印象ですが、メキシコもこの三つを挙げていました。

O:機会

  • 技術革新

機会については国それぞれで、貿易相手国との関係改善などの話もありましたが、印象に残っているのはアフリカでの技術革新の可能性です。ドローンなどの先端技術を活用して、国が大きく発展することも期待できます。

T:脅威

  • 戦争(イスラエルなど)
  • 外交(ウクライナなど)

イスラエルからも多くの参加者が来ており、彼らはいつミサイルが飛んできてもおかしくない状況で暮らしていると聞き、衝撃を受けました。

また、ロシアと接する国は常にロシアの動向を気にしなくてはいけない脅威と戦っていました。

まとめ

日本の政治や警察、会社に対して不満が全くないというわけではありませんが、ワイドショーや街角インタビューで権力を批判するようなコメントを見るたびに、「全然いい方だよ。」と思ってしまいます。

もちろん、ダメな部分もあるので大目に見すぎてはだめなのですが、批判している内容自体が、実は受けている恩恵の裏返しだったりします。

政治家は何も決めてくれない ⇔ 独裁的ではない

日本企業は年功序列でイノベーションが少ない ⇔ 安定した雇用を生んでいる

これはまさにSWOT分析でも、強みと弱みは表裏一体な場合が多く、奥深いところだと言えます。

国のSWOT、会社のSWOT、家族のSWOT、自分のSWOTをやってみると整理になるのでお勧めです。

タイトルとURLをコピーしました